寺村秀夫『外国人学習者の日本語誤用例集』(大阪大学、1990年)のPDF版とデータベース版の公開にあたって

国立国語研究所所長 影山 太郎


ありし日の寺村秀夫先生
ありし日の寺村秀夫先生

 このたび、国立国語研究所では、日本語教育研究・情報センターで行われている2つの共同研究プロジェクト ― 「多文化共生社会における日本語教育研究」(プロジェクトリーダー 迫田久美子)および「日本語学習者用基本動詞用法ハンドブックの作成」(プロジェクトリーダー プラシャント・パルデシ)― における研究の一環として、我が国の日本語教育研究の礎を築かれた故寺村秀夫教授(1928~1990)が大阪大学で残された最後の仕事の1つである『外国人学習者の日本語誤用例集』(1990)を、先生のご遺族の承諾を得て電子化し、オンラインで公開することになりました。奇しくも、所長の私が、大阪外国語大学時代の恩師である寺村先生のお仕事をこのような形で受け継ぐことができることは、大きな喜びであり、また誇りでもあります。

 本研究所では既に、日本語学会(旧・国語学会)から機関誌『国語学』の全論文の公開を任され、雑誌『国語学』全文データベースとしてオンラインで公開しています。日本語および日本語教育に関する学術研究の文献や情報を収集・整理・発信することを1つのミッションとしている大学共同利用機関の国語研では、研究所独自の研究成果を公表することはもとより、外部で作られた成果でも、研究者および一般社会に広く役立つと思われるものは収集・公開し、研究資源の共有化に資することを重要な業務と考えています。今回の『外国人学習者の日本語誤用例集』のオンライン公開により、この埋もれていた重要文献が国内外の研究者に活用され、日本語および日本語教育の研究の一層の活性化につながることを期待しています。

表紙
『外国人学習者の日本語誤用例集』

◆『外国人学習者の日本語誤用例集』について

 本書は、1985~1989年度の科学研究費補助金特別推進研究「日本語の普遍性と個別性に関する理論的及び実証的研究」(研究課題番号60060001、研究代表者 井上和子)の一環として行われた「外国人学習者の日本語誤用例の収集・整理と分析」の資料をまとめた報告書です。諸外国からの留学生が書いた作文に見られる日本語の誤用を収集・分類した資料として、日本語教育の研究者だけでなく理論的・記述的な日本語学・言語学の研究者にとっても学術的に大きな意義を有するにもかかわらず、科学研究費の報告資料としての性格上、これまでは限られた図書館・研究者が所蔵するだけに留まり、広く一般に活用されることはありませんでした。

◆電子版(2種類)の研究目的の使用について

 本書の電子版は、研究目的の使用を意図して2種類が準備されています。研究者各自の研究目的に応じて、2種類を使い分けて下さい。

PDF版

 原著をそのままの形で画像データにしたPDFです。
s  自由にダウンロード可能です。
 このPDF版を用いて論文や記事を執筆される際は、次のように引用して下さい。

寺村秀夫(1990)『外国人学習者の日本語誤用例集』(大阪大学;PDF版、国立国語研究所、2011年)

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データベース版

 原著に、品詞や国籍等による様々な検索機能を付加したデータベースです。
 オンラインでの検索のみ可能です。
 このデータベースを用いて論文や記事を執筆される際は、次のように引用して下さい。

寺村秀夫(1990)『外国人学習者の日本語誤用例集』(大阪大学;データベース版、国立国語研究所、2011年)

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